英国、EU表記のないパスポートを発行開始、比較画像 [グローバル経済]
本日気になったニュース・・・。
イギリスのEUからの離脱、つまりブレクジット(Brexit)。
延期延期で結局進まない?と思っていましたが、
イギリスでは3月末から
European Union (EU) と表記されていないパスポートの発行を始めていたそうです。
このようなところから一気に進んだりしそうなので
欧米、さらには世界、日本の経済などへの影響が気になりますね・・・。
こちらが実際に最近パスポートを更新した方のツイートです。
古いものと新しいもの、比較画像で出してくれています。
TRULY APPALLED. Picked up my new passport today - my old one expires in the next couple of months. See below: Spot the difference! pic.twitter.com/R7BW9lk6I5
— Susan Hindle Barone (@SpinHBarone) 2019年4月5日
デザイン的にほとんど違いは無いですが、
European Unionの文字が消えていますね。
イギリス国内では、議会も国民も賛否両論で
一進一退の議論が続いている印象です。
パスポートを発行するイギリス内務省は離脱派が多いのでしょうか?
イギリス政府では、メイ首相は実は残留派なのに国民投票の結果を受けて離脱を進めなければならない、なのに離脱派も離脱の条件に合意できないという非常に複雑な状況になっています。
意見できるほどの知識が無いのですが、多様性の時代に皆が幸せになることの難しさを感じる件だと思います。
今はまだ地球の向こう側、という感覚ですが、Brexitが本格的に動き出したら私たちの生活にも何らかの影響があるのかもしれません。
ジャパニフィケーションとは。日本化するグローバル経済と日本文化 [グローバル経済]
「世界には4種の国しかない。先進国、途上国、日本、そしてアルゼンチンだ。」
"There are four kinds of countries in the world: developed countries, undeveloped countries, Japan and Argentina"
- Simon Kuznets
ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツのこの言葉をご存じでしょうか?
アルゼンチンは豊富な資源を持ち、第一次世界大戦の前はアメリカと並ぶ大国として君臨していましたが、その後は経済成長が見られず、かつての隆盛を取り戻すことができていません。
日本は、19世紀後半まで江戸幕府が鎖国していたにもかかわらず、そこから急成長。
1904年には大国ロシアを破り、アジアを植民地とする帝国となります。
しかし第二次世界大戦で敗北、焼け野原となりますが、高度経済成長により再びGDP世界二位の大国へ。
100年ちょっとの間にこのような経済の振れ幅のあった国は日本以外に例がなく、上記のクズネッツの考察につながったのでしょう。
私たちの住む日本は、それだけ特殊な国なのです。
クズネッツがいつこの発言をしたのか定かではありませんが、彼は1985年に亡くなっています。
そしてもちろん、日本経済にはクズネッツが死去した後の続きがあります。
1990年ごろにバブルが崩壊。
その後は高度経済成長が嘘だったかのような経済の停滞に陥り、ロストジェネレーション(失われた世代)、デフレ経済などと言われる時代となりました。
このような歩みをしてきた日本経済ですが、実は近年、世界の先進国から注目され、ジャパニフィケーション(Japanification)という言葉を多く見るようになりました。
ジャパニフィケーションとは一体なんでしょうか?
●ジャパニフィケーションとは
Japanification、もしくはJapanization(ジャパニゼーション)。
国によってジャポニフィケーション(スペイン語:Japonificación、ハポニフィカシオン)とも。
そのままの意味は「日本のようになる」「日本化」です。
実は、文化的な意味と経済的な意味の2つがあります。
最近注目されているのは経済的な意味ですが、
英語版Wikipediaでは文化のほうがメインで書かれていますね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Japanification
文化的な意味は、外国人が日本に帰化して日本社会に溶け込むことや、アニメ・漫画などの日本文化が外国の社会に浸透していくことです。
確かに、ポケモン、ドラゴンボール、ハローキティなどは欧米でも知らない人は稀で、日本発祥だと知らない人もいるくらい浸透しています。
さて、今回見ていく経済的な意味でのジャパニフィケーションは、バブル崩壊後の日本経済の停滞と同じ道を他の先進国が進むことです。
さらに、日本は少子高齢化が世界で最も深刻な国です。
日本が直面するこの社会問題は、他の先進国でもこれから表面化してくると考えられています。
ジャパニフィケーションという言葉がはじめに注目されたのは2010年のNew York Timesの記事と思われます。
https://www.nytimes.com/2010/10/17/world/asia/17japan.html
ニューヨーク・タイムズは、このときバブル崩壊後に日本経済が長期間停滞していることで、日本社会全体に広まっている消費停滞、デフレ、将来への悲壮感があると指摘しています。
これは欧米諸国にとっても他人事ではなく、日本と同じ道を歩むとする経済学者が増えているといいます。
これが「ジャパニフィケーション」(Japanification)。
消費者は消費せず、企業も投資しない。需要は減退し、日本と同じ長いデフレに突入してしまうということです。
記事では、バブル崩壊前の1991年、経済学者の中には、日本が2010年までにアメリカを抜いて世界最大の経済規模になると予測するものもいたとしています。
実際には、日本経済はその後停滞。
アメリカはその間にも成長を続け、経済規模は当時の2倍に成長しています。
さらに、中国が成長したことで日本を抜いて世界2位の経済となっています。
ニューヨーク・タイムズはアメリカの新聞ですので、アメリカとの比較をしています。
そこではアメリカの経済学者(スタンフォード大学のRobert E. Hall教授)の話として「アメリカはそうはならない。米国人の消費・投資意欲を維持することは可能」と強気な発言を取り上げています。
上記の記事は2010年で、その後の世界経済は概ね順調です。
日本経済も回復の兆しが見えてきて、経済のジャパニフィケーションを聞く機会は減りました。
しかし、最近ヨーロッパ経済の成長に陰りが見え始めたことで
再びジャパニフィケーションという言葉が流行しています。
例えば、先日のBloombergの記事では、ヨーロッパ最大の経済を持つドイツの停滞が見え始めたことで、日本と似た状況になりつつあるとしています。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-03-08/the-chorus-is-getting-louder-euro-area-going-the-way-of-japan
経済的ジャパニフィケーションは少々暗い話ではありますが、日本が経済状況や少子高齢化などの社会問題で世界の先頭を切って、答えの無い世界に突入しているということでもあります。
他国が同じ問題に直面したときに、日本の歩みを参考にすることもあるでしょう。
私たちは日本人として何ができるでしょうか?
国や社会を左右するのは政治家の仕事だと考えがちですが、
その政治家を選ぶのは私たち日本人です。
また、日本経済を作っているのも一人ひとりの働きであると言えます。
問題が大きすぎて実感しにくいですが、日本人の一人ひとりが少しでも考えて行動していけば良いほうに変わっていくのではないかと思います。
"There are four kinds of countries in the world: developed countries, undeveloped countries, Japan and Argentina"
- Simon Kuznets
ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツのこの言葉をご存じでしょうか?
アルゼンチンは豊富な資源を持ち、第一次世界大戦の前はアメリカと並ぶ大国として君臨していましたが、その後は経済成長が見られず、かつての隆盛を取り戻すことができていません。
日本は、19世紀後半まで江戸幕府が鎖国していたにもかかわらず、そこから急成長。
1904年には大国ロシアを破り、アジアを植民地とする帝国となります。
しかし第二次世界大戦で敗北、焼け野原となりますが、高度経済成長により再びGDP世界二位の大国へ。
100年ちょっとの間にこのような経済の振れ幅のあった国は日本以外に例がなく、上記のクズネッツの考察につながったのでしょう。
私たちの住む日本は、それだけ特殊な国なのです。
クズネッツがいつこの発言をしたのか定かではありませんが、彼は1985年に亡くなっています。
そしてもちろん、日本経済にはクズネッツが死去した後の続きがあります。
1990年ごろにバブルが崩壊。
その後は高度経済成長が嘘だったかのような経済の停滞に陥り、ロストジェネレーション(失われた世代)、デフレ経済などと言われる時代となりました。
このような歩みをしてきた日本経済ですが、実は近年、世界の先進国から注目され、ジャパニフィケーション(Japanification)という言葉を多く見るようになりました。
ジャパニフィケーションとは一体なんでしょうか?
●ジャパニフィケーションとは
Japanification、もしくはJapanization(ジャパニゼーション)。
国によってジャポニフィケーション(スペイン語:Japonificación、ハポニフィカシオン)とも。
そのままの意味は「日本のようになる」「日本化」です。
実は、文化的な意味と経済的な意味の2つがあります。
最近注目されているのは経済的な意味ですが、
英語版Wikipediaでは文化のほうがメインで書かれていますね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Japanification
文化的な意味は、外国人が日本に帰化して日本社会に溶け込むことや、アニメ・漫画などの日本文化が外国の社会に浸透していくことです。
確かに、ポケモン、ドラゴンボール、ハローキティなどは欧米でも知らない人は稀で、日本発祥だと知らない人もいるくらい浸透しています。
さて、今回見ていく経済的な意味でのジャパニフィケーションは、バブル崩壊後の日本経済の停滞と同じ道を他の先進国が進むことです。
さらに、日本は少子高齢化が世界で最も深刻な国です。
日本が直面するこの社会問題は、他の先進国でもこれから表面化してくると考えられています。
ジャパニフィケーションという言葉がはじめに注目されたのは2010年のNew York Timesの記事と思われます。
https://www.nytimes.com/2010/10/17/world/asia/17japan.html
ニューヨーク・タイムズは、このときバブル崩壊後に日本経済が長期間停滞していることで、日本社会全体に広まっている消費停滞、デフレ、将来への悲壮感があると指摘しています。
これは欧米諸国にとっても他人事ではなく、日本と同じ道を歩むとする経済学者が増えているといいます。
これが「ジャパニフィケーション」(Japanification)。
消費者は消費せず、企業も投資しない。需要は減退し、日本と同じ長いデフレに突入してしまうということです。
記事では、バブル崩壊前の1991年、経済学者の中には、日本が2010年までにアメリカを抜いて世界最大の経済規模になると予測するものもいたとしています。
実際には、日本経済はその後停滞。
アメリカはその間にも成長を続け、経済規模は当時の2倍に成長しています。
さらに、中国が成長したことで日本を抜いて世界2位の経済となっています。
ニューヨーク・タイムズはアメリカの新聞ですので、アメリカとの比較をしています。
そこではアメリカの経済学者(スタンフォード大学のRobert E. Hall教授)の話として「アメリカはそうはならない。米国人の消費・投資意欲を維持することは可能」と強気な発言を取り上げています。
上記の記事は2010年で、その後の世界経済は概ね順調です。
日本経済も回復の兆しが見えてきて、経済のジャパニフィケーションを聞く機会は減りました。
しかし、最近ヨーロッパ経済の成長に陰りが見え始めたことで
再びジャパニフィケーションという言葉が流行しています。
例えば、先日のBloombergの記事では、ヨーロッパ最大の経済を持つドイツの停滞が見え始めたことで、日本と似た状況になりつつあるとしています。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-03-08/the-chorus-is-getting-louder-euro-area-going-the-way-of-japan
経済的ジャパニフィケーションは少々暗い話ではありますが、日本が経済状況や少子高齢化などの社会問題で世界の先頭を切って、答えの無い世界に突入しているということでもあります。
他国が同じ問題に直面したときに、日本の歩みを参考にすることもあるでしょう。
私たちは日本人として何ができるでしょうか?
国や社会を左右するのは政治家の仕事だと考えがちですが、
その政治家を選ぶのは私たち日本人です。
また、日本経済を作っているのも一人ひとりの働きであると言えます。
問題が大きすぎて実感しにくいですが、日本人の一人ひとりが少しでも考えて行動していけば良いほうに変わっていくのではないかと思います。