他の言語にない「ある・いる」違いは生き物かではなく動くかどうか [言語]
最近日本語を学んでいる外国人に聞かれました。
「ある・いる」「あります・います」の違いは何ですか?
日本人は無意識に使い分けていますが、違いを説明できるでしょうか。
よくある説明は「生き物かどうか」。
しかし、説明していて「これは違うかも」と感じたので
今日はその違いについて書きたいと思います。
●「ある・いる」は日本語独自の表現?
「ある・いる」の使い分けは他の言語にはない表現です。
少なくとも英語にはないですし、日本語と文法的に近い韓国語にもないようです。
生き物を大切にする日本文化から、この使い分けが発生したのでしょうか?
もし、他の言語で「ある・いる」を使い分ける言語を
知っている方がいたら是非教えてほしいです。
●「ある・いる」の違いは動くかどうか
よく聞く「ある・いる」の違いはこちら。
いる:生き物に使う。
ある:生き物ではない物体に使う。
しかし、それでは説明がつかない使い分けもあることに気付きました。
生き物ではないのに「いる」を使ったり、
生き物に「ある」を使ったりするということです。
例えば、
車がある。
車がいる。
どちらも使いますよね。
「車がある」は、停車している車などでイメージしやすいと思います。
「車がいる」については、イメージしやすい例を考えてみました。
例えば、何人かで車に乗って走っていて、運転手が車線変更をするとき、
後部座席の人が自分たちの斜め後ろに車が走っていることに気付きます。
「斜め後ろに車がいるから気を付けてね」
と言いますよね?
ここで走行中なのに「斜め後ろに車がある」と言うと、なにか変ではないでしょうか。
「車がある」と言われると停まっている車があるのかな?という伝わり方になるかと思います。
つまり、「ある・いる」の使い分けは生物かどうか、ではなく、
動いているかどうか、だと思うのです。
次に、「ある」を生き物に使う例も考えてみました。
こちらは少し難しい…。
あるとすれば、
妻子がある。
妻子がいる。
などでしょうか。
これも両方使いますよね。「妻子ある男性」とよく言うと思います。
妻と子供は生き物ですが、ある男性に妻と子供がいれば、
この先もずっといるはず→妻と子供がいる事実は動かない
(離婚などすれば別ですが…)
という論理で「ある」も使えると考えられるのではないでしょうか。
妻子の例はちょっと苦しいかもしれませんが、、、
他にも
ロボットがある。
ロボットがいる。
だと、「ある」のほうはずっと動かないロボットようなイメージ、
「いる」のほうは動いている、あるいはそのうち動くようなイメージを
受けるのではないでしょうか?
●まとめ
いずれにしても、「ある・いる」「あります・います」の違いは
おそらく日本語独自のものです。
私たちは慣れているので考えずに使っていますが、
初めて習う外国人は不思議に思うはずなので、
聞かれたときにちゃんと説明できると良いと思います!
南米グアテマラ、アティトラン湖
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「ある・いる」「あります・います」の違いは何ですか?
日本人は無意識に使い分けていますが、違いを説明できるでしょうか。
よくある説明は「生き物かどうか」。
しかし、説明していて「これは違うかも」と感じたので
今日はその違いについて書きたいと思います。
●「ある・いる」は日本語独自の表現?
「ある・いる」の使い分けは他の言語にはない表現です。
少なくとも英語にはないですし、日本語と文法的に近い韓国語にもないようです。
生き物を大切にする日本文化から、この使い分けが発生したのでしょうか?
もし、他の言語で「ある・いる」を使い分ける言語を
知っている方がいたら是非教えてほしいです。
●「ある・いる」の違いは動くかどうか
よく聞く「ある・いる」の違いはこちら。
いる:生き物に使う。
ある:生き物ではない物体に使う。
しかし、それでは説明がつかない使い分けもあることに気付きました。
生き物ではないのに「いる」を使ったり、
生き物に「ある」を使ったりするということです。
例えば、
車がある。
車がいる。
どちらも使いますよね。
「車がある」は、停車している車などでイメージしやすいと思います。
「車がいる」については、イメージしやすい例を考えてみました。
例えば、何人かで車に乗って走っていて、運転手が車線変更をするとき、
後部座席の人が自分たちの斜め後ろに車が走っていることに気付きます。
「斜め後ろに車がいるから気を付けてね」
と言いますよね?
ここで走行中なのに「斜め後ろに車がある」と言うと、なにか変ではないでしょうか。
「車がある」と言われると停まっている車があるのかな?という伝わり方になるかと思います。
つまり、「ある・いる」の使い分けは生物かどうか、ではなく、
動いているかどうか、だと思うのです。
次に、「ある」を生き物に使う例も考えてみました。
こちらは少し難しい…。
あるとすれば、
妻子がある。
妻子がいる。
などでしょうか。
これも両方使いますよね。「妻子ある男性」とよく言うと思います。
妻と子供は生き物ですが、ある男性に妻と子供がいれば、
この先もずっといるはず→妻と子供がいる事実は動かない
(離婚などすれば別ですが…)
という論理で「ある」も使えると考えられるのではないでしょうか。
妻子の例はちょっと苦しいかもしれませんが、、、
他にも
ロボットがある。
ロボットがいる。
だと、「ある」のほうはずっと動かないロボットようなイメージ、
「いる」のほうは動いている、あるいはそのうち動くようなイメージを
受けるのではないでしょうか?
●まとめ
いずれにしても、「ある・いる」「あります・います」の違いは
おそらく日本語独自のものです。
私たちは慣れているので考えずに使っていますが、
初めて習う外国人は不思議に思うはずなので、
聞かれたときにちゃんと説明できると良いと思います!
南米グアテマラ、アティトラン湖
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50年ほど昔、友達の家に電話したとき、
「◯◯君いますか?」と聞くと、親に
「靴いるのに、◯◯ないなぁ」と返事されて驚きました。
by 爛漫亭 (2019-04-19 09:42)
普段なにげなく使っている日本語も
外国に人にとっては難しいのかも
知れませんネェ
なかなか説明できないですね
by 猫またぎ (2019-04-19 11:08)
爛漫亭さん
コメントありがとうございます!
靴は動くから…?でも靴に「いる」を使うのはあまり聞かないですね。「いますか?」にわざと「いる」で返したのかもしれませんね。
猫またぎさん
コメントありがとうございます!
そうだと思います。逆に外国の人が何気なく使っている「R」と「L」の発音の違いや、ラテン系言語の女性名詞・男性名詞は日本人には難しいですよね。
by Edy (2019-04-19 16:23)
日本語の難しさについて、今日、記事アップしました。
ご訪問、有難うございました。
by okko (2019-04-20 16:28)
okkoさん
コメントありがとうございます!
日本語は似ている言語が少ないので難しいと感じる人の割合が世界的に高いのだと思います。
by Edy (2019-04-20 23:56)
勉強になりました
無意識に使っているので
あまり深く考えていませんでしたね(^^;)
日本語、表現、難しいですね
by mari (2019-04-21 15:51)
Wikiに下記の記載がありました。
方言によっていろいろですね、
<存在動詞>
存在を表す動詞として、共通語では生物に「いる」、
無生物に「ある」を使うが、紀ノ川沿いの平野部や
和歌山県沿岸部、三重県南牟婁では生物・無生物に
関わらず「ある」で表す。たとえば
「先生あるかい」「ここに先生は無いで」などと言う。
和歌山県の山間部では、生物には「おる」を使い、
ところによっては無生物にも「おる」を使う。
by 爛漫亭 (2019-04-21 20:23)
いつもniceありがとうございます。
by はっこう (2019-04-21 22:32)
mariさん
コメントありがとうございます!
無意識に使っていることを説明しようとすると、どう説明してよいかわからず、難しさに気付いたりしますね~。
爛漫亭さん
コメントありがとうございます!
方言も考えると、より複雑なのですね。どちらにも「ある」を使う地域があるのは興味深いですね!
はっこうさん
コメントありがとうございます!
いつも拝見させていただいています!
by Edy (2019-04-21 23:19)
中国人の女の子に入れない・入らないの意味を聞かれたことを思い出しました(^^♪
by yamatonosuke (2019-04-22 00:34)
電話で「部長いるかな?」女の子「いりません」 ≥≤?
by Hide (2019-04-22 04:10)
yamatonosukeさん
コメントありがとうございます!
一文字違いでも全く違う意味になりますよね!
Hideさん
コメントありがとうございます!
確かに「いる」は「必要」という意味でもありますよね!その意味なら間違いではない・・・?敬語だと「います」「いります」で違いますが、敬語ではないと同じ「いる」になるんですね~
by Edy (2019-04-22 20:46)
おもしろいけどむずかしい。一応ネイティブジャパニーズなのですが。
by リス太郎 (2019-04-23 09:56)
リス太郎さん
コメントありがとうございます!
ネイティブほど、自分の言語の仕組みはわかっていなかったりするのではないかと思っています。
by Edy (2019-04-24 00:22)
当ブログの写真容量が10GBに近づいたので、令和の時代に新たな年輪の会のブログ-3として再スタートします。宜しくお願い致します。https://nenrinnnokai-3.blog.so-net.ne.jp/
by bpd1teikichi_satoh (2019-04-26 19:33)
bpd1teikichi_satohさん
コメントありがとうございます!
訪問させていただきますね~
by Edy (2019-04-28 22:45)
こんばんは。
これは鋭い指摘ですね。勉強になりました。ありがとうございます。
(^^♪
by coco030705 (2019-04-29 19:38)